監督:ワン・イェミン
出演:香川照之
戸田恵梨香
ヴィック・チョウ
ニン・チャン
ほんこん
エリック・ツァン
京都で、老舗茶屋−八木茶舗を営む主人・八木圭(香川照之)。
この茶屋−開店休業中である−に先祖代々伝わる「黒金茶の呪い」のせいで、妻(藤田陽子)が死んでしまったと思い込み、お茶と関わることを一切断ち切ってしまった圭。
すっかりダメオヤジになってしまった父親をなんとか立ち直らせたい一人娘・美希子(戸田恵梨香)。
母親の死と、黒金茶の呪いが何の関係もないことが分かれば、父親は立ち直ってくれる。
美希子は大学卒業後、台湾へ茶学を学ぶための留学を考えていました。
しかし、自宅に届いた入学願書を見付けた圭は、美希子の目の前でそれを破ってしまいます。
「お茶に関わるなと言ってるだろ!」
「お父さんは『黒金茶の呪い』がお母さんの死と関係あると思ってるんだろうけど、お母さんの死は事故だった。だから何の関係もないことを知りたいから留学したいのよ」
しかし、妻の死が「黒金茶の呪い」によってもたらされたものだと信じて疑わない圭は、美希子の話に耳を貸そうとしません。
「黒金茶の呪い」―それははるか昔の出来事。
古代中国には、飲めば暴力的になる「雄黒金茶」と、穏やかな気持ちをもたらしてくれる「雌黒金茶」をそれぞれ栽培する部族が共存していました。
ある日、露店で雌黒金茶を振舞っていた男(八木圭の先祖)にひとりの子供が自分にも飲ませて欲しいとせがんだのですが、お茶は大人が飲むものだと相手にしてもらえませんでした。
店先にいたひとりの男がその雌黒金茶を口にすると、一番おいしいのは自分が作る「雄黒金茶」であると豪語し、突然暴れだしたのです。
−ならば、闘茶で決着をつけようではないか。
「闘茶」−中国福建省で生まれたお茶の競技で、味はもとより、様式美、精神性などを競い合うというもの。
しかし、審判が下した結果は「両方共に足りないものがある」。
それを聞いた雄黒金茶部族の男は、その審判を切ってしまいます。「雌黒金茶を滅ぼしてしまえ」
この闘茶がきっかけとなり、両部族の争いが始まり、ついに雌黒金茶を栽培する村を焼き払ってしまいました。
これが「黒金茶の呪い」。この呪いを解くには、ふたたび雄黒金茶と雌黒金茶が”闘茶”を行い、雌黒金茶が勝たなくてはならないというのです。
美希子はアルバイト仲間の村野(細田よしひこ)と「黒金茶の呪い」を調べているうちに、その雌黒金茶の茶木が自宅の庭にあることを知ります。
圭に内緒でお茶を嗜んでいた美希子はある日茶会に参加するのですが、その茶会の最中に意識を失い倒れてしまいます。
そのことを知った圭は、「黒金茶の呪いだ!」と怒り狂い、美希子と激しく対立してしまいます。
そんな父親への反発もあってか、そのころチャットで知り合った雄黒金茶を持っているという友人に会うため、その友人が送ってくれた航空券で台湾へと向かいます。