テレビドラマ・新参者、スペシャルドラマ・赤い指。
どちらもすごく面白かったので、今回のこの映画もとても楽しみにしていました。
前2作同様、派手なトリックや謎解きはなく、家族愛が強く感じられる映画でした。
ある夜、東京・日本橋の麒麟の像の下で、腹部にナイフが刺さったままの状態で一人の男が生き絶えます。男の名前はカネセキ金属の製造本部長・青柳武明(中井貴一)。
そのころ、父親の3回忌の打ち合わせを看護師・金森登紀子(田中麗奈)としていた加賀(阿部寛)はすぐに現場の日本橋へと向かいます。
被害者の青柳は驚くべきことに麒麟像付近で殺されたのではなく、刺された場所から8分間も歩いて来た事がわかります。
ほどなく現場付近の公園の茂みに隠れていた男・八島冬樹(三浦貴大)が緊急パトロール中の警察官に発見されるのですが、冬樹は逃げ出してしまいます。
警察からの追跡から逃れようとした冬樹は途中、大型トラックに跳ね飛ばされ、意識不明の重体に。
冬樹の幼馴染みで同棲中の恋人・中原香織(新垣結衣)はバイト先の精肉店で冬樹からのただことではない電話を受け、胸騒ぎを覚えます。
「面接どうだった?」
「やばいことやっちまった。」
「冬樹君?」
−切れた電話は2度とつながることはありませんでした。
不安な気持ちのままアパートに帰り着いた香織の携帯が再び鳴ります−着信には冬樹の名前が!
「冬樹くん!?」
−電話の向こうから聞こえてきたのは、聞いたことのない男の声。
あわてて病院へと駆けつけたが見たのは変わり果てた冬樹の姿でした。
警察から事の成り行きを聞かされた香織は言い放ちます−冬樹君は犯人じゃない!
同じ病院には青柳の家族も駆けつけていました。
「こちらがご主人の所持品です」
「こんなデジカメ持ってたかしら?」
「お父さん、ネットカフェなんかに行ってたの?」
−あまりにも知らなかった夫の、父親の姿。
警察は、事故にあった冬樹が青柳のかばんを持っていたことから、容疑者として調べを始めます。
冬樹は半年ほど前に派遣社員で働いていたカネセキ金属を契約満了を待たずして解雇されていたことがわかります。
しかも青柳がその工場の製造本部長であったことから、解雇されたことを逆恨みした冬樹が青柳を襲ったのではないかという線で調査が進められていきます。
一方、青柳はさされる前に現場近くのカフェにいたことがわかります−しかもひとりではなかった。
冬樹の派遣仲間の証言から、冬樹が仕事中の事故が原因で解雇されたことがわかります。
さらにその事故は本部長であった青柳の指示で“労災隠し”したと証言した工場長の小竹(鶴見辰吾)の報道が流れると、マスコミは一気に青柳を、青柳の遺族をたたき始めます。
やがて、重体だった冬樹が息を引き取ります。
−手がしびれていることを理由になかなか再就職に真剣になろうとしない冬樹に苛立ちを感じ始めていた香織。
「ちゃんとしてよ!」「もう手の痺れ、よくなったんだよね?本気で仕事探してよ!」
「−俺さ、やりたいことがあって…」
「世の中そんなに甘くないんだよ!」
追い詰めたのは私−激しい自己嫌悪に陥る香織は体調を崩し倒れてしまいます。
−香織のおなかの中には冬樹との新しい命が宿っていました。
青柳の長男・悠人は父親である武明に対してトゲのあるものいいをするばかり。
中学生時代には水泳選手として活躍をしていたのですが、中学3年の夏が終わるころ突然水泳を辞めてしまっていました。
そのことで口論となっていた武明と悠人。
武明はそのことで中学時代の水泳部の顧問・糸川(劇団ひとり)に電話をしていました。
加賀の後輩でジャーナリスト青山亜美(黒木メイサ)からの情報で、青柳が亜美のバイトするお茶屋に週末訪れていたことを知ります。
青柳が千羽鶴を持って水天宮回りをした理由。
ネットカフェの会員証を持っていた理由。
息子・悠人の中学生時代の水泳部の顧問に電話をした理由。
悠人があれほど打ち込んでいた水泳をぱったりとやめてしまった理由。
なぜ刺されてから麒麟像まで瀕死の状態でありながら歩いたのか−。
次々と出てくる真実がつながりを見せ始めたとき物語はスピードを増して一気に展開します。
すべての道は日本橋の麒麟像から始まる−。
麒麟像のあるここから羽ばたいて行く−。
「赤い指」のときにも感じたことなんだけど、親の愛情っていうのは、子供がどんな窮地に追い込まれようとも、罪を犯そうとも絶対に揺らぐことのない−この世の中で一番強いものではないかと思います。
今回のこの「麒麟の翼」でもその部分がとても強く伝わってきます。
子が親を思うより遥かに大きな愛情を親は子に注ぐものなのでしょう。
親の愛情に勝るものはない−。
派手な謎解きの映画もいいけれど、見終わった後に自分の中の残ったものをかみしめることができるような映画−そんな映画もたまには必要です。
]]>アカデミー賞主演男優賞のノミネートから洩れてしまったとはいえ、監督がクリント・イーストウッドということもあり、興味ある作品でした。
FBI初代長官に任命されたジョン・エドガー・フーバー(レオナルド・ディカプリオ)。
フーバーの取材にやってきた記者に自身の過去を回想しながら話していく課程が映画のストーリーになっているというもの。
現在と過去が交差しながら進むストーリー。
ちょっと難しい映画だったかなぁ〜。
]]>戦争がなければこの映画の二人−長谷川辰雄とキム・ジュンシクもオリンピックのマラソン選手を目指し、よきライバルとして戦ったことでしょう。
1928年日本の占領下にあった朝鮮半島。
憲兵隊司令官である祖父(夏八木勲)がいる京城(今のソウル)に両親と共にやってきた11歳の長谷川辰雄は、祖父の屋敷で使用人として働いているキム一家の長男・ジュンシクと出会います。
お互いに走ることが大好きだったこともあり、身分は違えど常に記録を競い合うよきライバルとして成長します。
ある大会で優勝した辰雄の祝賀会が行われていた日、お祝いの品だとある人物から包みを受け取ったジュンシクの父親。
うやうやしく辰雄の祖父に手渡し、その包みを開けた辰雄でしたが、その瞬間祖父の顔色が変わります。
包みの中に入っていたもの−爆弾。
とっさに自分の腹に抱え込みうつぶせになった祖父は大声で叫びます。
逃げろっ!!
次の瞬間爆発と共に辰雄の尊敬する祖父の体は無残な姿となってしまいます。
お前が殺したんだ−辰雄は包みを祖父に手渡したジュンシクの父親につかみかかります。
この事が辰雄の朝鮮人への偏見をさらに強いものにしてしまうのです。
時は流れて1938年。
東京オリンピックのマラソン代表選考をかねた大会で、辰雄(オダギリジョー)とジュンシク(チャン・ドンゴン)は激闘を繰り広げます。
ところが当時の審判団は日本人。朝鮮人を優勝させてはなるものかと、ジュンシクの走りを妨害するも、逆に転倒してしまいます。
激走の結果、ジュンシクが見事優勝したのですが、日本人選手の走りを妨害したと因縁をつけられ失格となり、2位の辰雄が優勝だと発表されたのです。
これに怒ったのが朝鮮の応援団。
1位はキム・ジュンシクだ!!−会場は乱闘が始まってしまいます。
この騒ぎは裁判にかけられ、乱闘に加わった朝鮮人へ課せられた罰は−「日本人」として日本軍に強制徴兵されるというものでした。
日の丸を負い、日本語を話す−どれほどの屈辱だったのかは簡単に想像できます。
大韓民国という国はとにかく自分たちの国をとても大切にしています。
ひとりの韓国人が屈辱的な思いをすれば、それは全国民の怒りとなって跳ね返ってきます。
−歴史を学ぶと国民性がとてもよくわかるものです。
モンゴル・ノモンハンへと送り込まれたジュンシクたちのもとに、隊長として辰雄がやってきます。
冷酷な軍人と化した辰雄は、ジュンシクらに非人道的な作戦に就くよう命令するのですが、
ジュンシクをはじめとする朝鮮人青年たちは激しく反発します。
ところが敵(ソ連軍)の奇襲を受けてしまった辰雄ら日本軍は苦戦を強いられます。
引き下がろうとする歩兵に銃口を向け、「後退は許さない!進め!進め!」と引き金を引く辰雄。
そんな辰雄にジュンシクは殴りかかり、「味方を全滅させる気か?くたばりたいならお前一人でくたばれっ!」と叫びます。
このときのオダギリジョーの演技は怖かった。狂気を帯びた目がホントに怖くて、「オダギリジョー」が壊れちゃったんじゃないかって思ってしまったくらい。
でも当時の人たちってみんなこうだったんだろうって思います。
目の前で仲間たちがどんどん死んでいって、どんどん積み重なっていく死体を見て正気でいられるはずがない。
「天皇陛下万歳」
そういう思考教育を受けていた彼らは、本当に誇りを持って死に向かって行ったんだろうか…。
ソ連軍との激戦後、辰雄・ジュンシクら生き残った歩兵たちはソ連・ペルミへと送り込まれます。
つまり、捕虜。
捕虜となった辰雄は、ソ連軍司令官から日の丸を踏むよう命じられます。
しかし、天皇の名の下に戦っている辰雄にとって日の丸に足を下ろすということは到底できないこと。
捕虜になっても上官としても権力を振りかざし続ける辰雄と衝突の絶えないジュンシク。
そしてついにそんな二人が処刑されることとなってしまいます。
−柱に括り付けられ、銃口を向けられ、いよいよ引き金を引く−まさにそのとき、1台の車がサイレンを鳴らしてやってきます。
ドイツ軍がソ連を侵攻したため、捕虜である辰雄らも「ソ連軍」として戦わなくてはならないというのです。
ソ連の軍服をつきつけられ、拒めばその場で即射殺。
−着替えをしようとする辰雄の手の震えは、極寒の地のせいなのか、屈辱のせいなのか…。
辰雄もジュンシクも「生きる」ことを選択したのです。
満足な武器もないままにドイツ軍との戦いを強いられた辰雄・ジュンシクら。
銃の弾が飛び交う下では、仲間同士の武器の奪い合い。
じりじりと後退を始めるソ連軍。
そのとき辰雄の目に飛び込んできたのは、味方の兵士たちに銃口を向けるソ連軍の将校の姿。
「後退は許さない!前へ進め!」
ノモンハンでの自分の姿と重ねる辰雄。
折り重なる死体の山。山。山。
ひとり歩き出した辰雄の目に映ったのは、同じく生き残ったジュンシクの姿。
ジュンシクはドイツ軍の兵士の死体からコートを剥ぎ取り、辰雄へと渡します。
「山を越えるには必要だ」
ドイツに亡命を決めた二人は雪山の越境を試みます。
しかし今回の激戦で深い傷を負った辰雄は、ドイツに着くと力尽き倒れこんでしまいます。
なんとか薬を調達しようと瓦礫と化した町へと向かったジュンシクでしたが、運悪くドイツ軍に捕まり連行されてしまいます。
ついにドイツでふたりは離れ離れとなってしまうのです。
辰雄とジュンシク。
ふたりとも決して揺らぐことのないものを心の中に持ち続けていたところは共通するところ。
辰雄は「祖国に命をささげる」という信念を曲げなかった。
一方のジュンシクは「いかなる状況でも走ることへの希望と、自分は『キム・ジュンシク』であること」を忘れなかった。
戦闘シーンは目を開けてしっかりと見ることはなかなか難しかった。
ソ連の収容所では寒さがスクリーンから伝わってくるようだった。
自分が生き残るために仲間を裏切ったもの。
友情・祖国・夢を捨てた若者たち。
自分が生きることだけで精一杯だった時代。
この映画に山本太郎が出てるんだけど、とにかくとにかくめちゃくちゃ嫌な奴の役。
朝鮮人をいじめ抜き、そのことで快感を得るような最悪な男。
今、いろいろと彼はお騒がせなことがあるみたいだけど、とてもいい役者ではないかとこの映画を見て感じました。
また身辺が落ち着いたら、ぜひ俳優としてがんばってほしいなぁ〜と思います。
ひとつ思うんだけど、この映画韓国ではどんな評価を受けたんだろう。
日本人が朝鮮人を罵倒するせりふも多いし、韓国側からしてみればいくら過去の出来事だと言っても決して気持ちのいいものではないと思うんだけど。
この「マイウェイ」、実話に基づいた映画なんだけど、この時代にこんな思いをした人がきっとたくさんいたはず。
そんな方々のおかげで今の平和な時代がある−自由に韓国に行っておいしいだの、安いだの言うことができる時代。
オダギリジョーが演じた役の方が実在の人だと思うんだけど、実際にチャン・ドンゴンのような存在の人がいたのなら安心する−って思うのアタシだけかな。
ラストにアタシは少し安心しました。
あのラストがこれからの日本と韓国の関係を暗示しているように感じられます。
]]>
深田恭子と共演した日韓共同制作ドラマ「フレンズ」でウォンビンの存在を知ったアタシにとってこの「アジョシ」の映画に出てくるウォンビンは別人でした。
くたびれたビルの一室で質屋を営むテシク(ウォンビン)が唯一言葉を交わす相手は同じビルに住んでいる少女ソミ(キム・セロン)。
ソミの母親はクラブのダンサー。ソミには全く関心がなく、麻薬におぼれる毎日。
ある夜、ソミが家に戻ると母親のうめき声が聞こえ、戸を開けるとそこに居たのは母親の太ももに熱風吹き出すドライヤーを押し付けている見知らぬ男。
「オンマ!」(ママ)と呼ぶソミの目を後ろから目隠しする男。
同じ頃、テシクの質屋にも見知らぬ男たちが侵入していました。
−ソミの母親からバックを預かっただろ?
ナイフをちらつかせ、銃を突きつける男たちに動じる様子を見せないテシク。そんなテシクに対して見えない恐怖を感じ始める男たち。
ソミの母親が質草として持ってきたのはカメラが入ったバックだけ。それを差し出すと男たちはカメラを取り出し、乱暴にバックを切り裂いて−そこから出てきたのは麻薬でした。
麻薬を取り返した組織でしたが、ソミと母親を誘拐。
「アジョシ!」−両手を縛られたソミは大声でテシクに助けを求めますが、無常にもソミを乗せた車は猛スピードで走り去ってしまいます。
唯一心を許していたソミを助けなければならない。
−これ以上大切な人を失うことはできない。もう二度とあんな思いはしたくない。
ソミを助けるために組織の指示に従うテシクは、ある人物の元を訪れます。
テシクが組織に指示されたのは麻薬の運び屋。
罠にはめられたテシクはその場からなんとか逃げようとするも、テシクが使っていた車の中から出てきたのは…ソミの母親の死体でした。
ソミの母親に無残な死体を目の当たりにしたテシクは動けなくなってしまい警察に捕まってしまいます。
ソミの母親の死体の内臓はすべて取り除かれており、両目も刳り貫かれていました。
−生きたままやつらは両目を刳り貫いたんだぞ!
なんとしてもソミを助けなければ。
テシクは取り調べの最中に手錠を外させた隙に警察を脱走。ソミの救出へと向かいます。
麻薬組織の裏側で行われていたこと−それは臓器売買。
母親を殺されたことをまだ知らないソミは、あるところへ連れて行かれます。
−ソミ軟禁されたその部屋には、同じ年のころの子どもたちが軟禁されていました。
「いい子にしていればママに会わせる」
その言葉を信じ、その日が来るときれいな洋服を着せられ軟禁場所から連れだされます。
母親に会える喜びを隠し切れない子ども。
−これから自分の身にどれほど恐ろしいことが起こるのかも知らずに…。
警察はテシクの過去を調べ始めます。
テシクは情報特殊部隊の元要員であり、暗殺の任務についていた…。
テシクの恐ろしいまでの冷静さはこの特殊部隊で訓練されたものだったのです。
2006年、テシクの記録はこの年の交通事故のものを最後に途絶えていました。
−交通事故にあったはずのテシクの体に残っていた傷跡は銃によるもの。
交通事故で死んだのは−最愛の妻。まもなく母親になろうとしていた…。
あの日、テシクは妻を車に残し生まれてくる子どものために靴を選んでいました。
うれしさを隠し切れないテシクの携帯に緊急事態の連絡が入ります。
店を出ると車の中から笑顔で手を振る妻。「早くいらっしゃいよ」と手で招く妻。
テシクが見た妻の最後の笑顔。
もう二度とあんな思いをしたくない−テシクを突き動かしていたのはあの日の悲しみだったのかもしれません。
ボサボサの髪を自分で切り落とすウォンビンがとても美しい…。
「美しい」なんて形容詞を使うのはヘンかもしれないけど、本当に美しかった。
これからの決意を表す意味も込めて自分で自分の髪を切り、ひとり組織へ乗り込んでいく。
ほとんどのスタントを自分でこなしたというウォンビンは、今まで見た事のないウォンビンでした。
ちょっと頼りなさげな雰囲気を持つ役が多かったウォンビンだけど、除隊してからちょっと雰囲気変わったかも。
自分でも今までの定着したイメージを払拭するためにも意識してそういう役を選んできたのかどうかは分からないけど、韓国に行ったときに見た缶コーヒーのCMがね、忘れられなくて。共演はシン・ミナだったんだけど、ふたりの雰囲気がとてもよくて、本国では「ホントはつきあってるんじゃないの?」とウワサになるほど。
個人的にはそろそろ恋愛に身を焦がすウォンビンも見てみたいかな…。
とても残酷で、とても悲しいストーリーだけど、ラストで人間味を取り戻すテシクを見たら、客席にいるあなたもテシクをきっときっと抱きしめたくなるはずです。
正直な感想から申しますと−過去2作のほうがはるかに面白かった…です。
あいすいません
織田裕二演じる青島俊作が「係長」に昇進してしまったせいなのか…映画に覇気を感じることができなかった…。
−いかりや長介さんの演じた和久さんの存在がとても大きかったってことをつくづく感じさせられました。
新しい湾岸署への移転を3日後に控え、青島係長指揮の元引越し作業に精を出す署員たち。
青島は上司から先日受診した健康診断で医師が話をしたがっているので連絡をするように言われます。ところが引越し作業が佳境を迎え、健康診断結果に構っていられない青島は生返事を返すばかり…。
荷造りに追われる中、事件は待ってくれないし。
銀行強盗が入った形跡があるのに、何も取られていない。
バスジャックされたのに、乗客を傷つけることもなく、何も取り上げることなく姿を消した犯人。
−不可解な事件は同一犯人の可能性も。
青島からなかなか連絡をもらえない医師は痺れを切らして引越し準備でごったがえす湾岸署へとやってきます。
上司(佐戸井けん太)同席の元、医師は1枚のレントゲン写真を取り出し説明を始めます−。
−ここに影が見えるでしょ。
自分の病状が深刻なものかも知れないことを知った青島は仕事が手につきません。
一方同席した上司から話はあちこちに枝葉を広がり始めることに。
なんかね、この青島の病気のこともなんとなくオチが見えちゃって、「あ〜やっぱりね」って感じ。
それと青島とすみれさんの関係は、ずっとこのままがいい。
つかず離れず−このままがちょっとじれったくて…いいと思います。
豪華キャストの割には見ごたえのない映画だったことがとても残念でした。
これは映画館で見なくてもよかったかなぁ〜。
]]>「最後の結末は映画をまだ見ていない人には話さないでください」
こんなくだりが映画本編が始まる前にスクリーンに出ました。
−これって。
もうどれくらい前だろう…ブルース・ウィリス主演の「シックスセンス」でもこんなふうにスクリーンに出てから本編が始まったように記憶しています。
劇場予告版を見たときにものすごく好奇心をくすぐられて、絶対に見ようって決めていた映画。幸運にも試写会に当たって一足早く見ることができました。
ただ、応募する時にきちんと確認しておかなかったのか『超日本語吹替版』の上映だった…。俳優のままの声での映画鑑賞をこよなく愛するぱちゃぽとしてはちょっとしくじった感を持っての映画鑑賞となりました
映画は、1954年、ディカプリオ演じる連邦保安官テディ・ダニエルズが新しい相棒チャック(マーク・ラファロ)とともにフェリーである島へ向かうシーンから始まります。
船酔いをしているテディが向かっているのは、精神を病んだ囚人が幽閉されている島。
その島にあるアッシュクリフ病院からあるひとりの女性が忽然と姿を消したという連絡を受け、捜査のためにやってきたふたり。
失踪した女性は、わが子3人を殺め、自らも精神を病んでいるという。
テディがこの島にやってきた本当の目的は別のところに。
2年前最愛の妻を火事で失ってしまったテディは、放火犯―アンドリュー・レディスの行方を追ううちにその犯人がこの「島」にいることを突き止めます。
そんなテディのもとにやってきた今回の捜査依頼。テディは自ら志願してここまでやってきた…。
すべてがおかしい。
病院関係者や患者に話を聞けば聞くほど違和感を感じるテディ。
そしてテディは失踪した女性の部屋から1枚のメモを見つけます。
LOW OF 4(4の法則)
WHO IS 67? (67は誰?)
第二次世界大戦時、戦場で目にした残虐なシーンがフラッシュバックのように襲ってきてテディの思考を狂わします。
捜査中に出会ったひとりの女性。
彼女から聞かされた「真実」はテディの運命を激しく揺さぶり始めることとなります。
途中から「もしかして?」―「シックスセンス」を彷彿させるラストの展開。
うすうす感じていただけに、この映画の売りである「驚き」も「衝撃の事実」も特別感じることはなかった…。
面白くなかったことはないんだけど、あまりにもいろいろと気を持たせられていただけに、肩透かしをくらった感が否めなくて。
アタシはアタシなりにこの映画が描いた「真実」を見たつもりなんだけど、きっとその「真実」って見た人によっていろんな解釈があると思うから、どれが正しいのかっていうのはわかんないじゃないんだろうか…。
「衝撃の結末」とか「ラストに真実が隠されている」とかこんなふうに宣伝文句を掲げている映画で、本当に「うぉ〜!!!!!」っていうラストに出会えたことはない(苦笑)
人を騙し欺き大金を獲得するゲーム−ライアーゲーム。
2007年にTVで放送された時からはまって観ていた番組。去年にシーズン2が放送されたときはめちゃくちゃうれしくて、しかも決勝戦が映画になるということを聞いてからそれはそれは楽しみにしてました。
ライアーゲームのファイナルの舞台は孤島。
「エデンの園」と名づけられた会場に集まったファイナリストは11人。
・江藤光一(和田聰宏)<板金工>
・坂巻マイ(濱田マリ)<手品師>
・西田二郎(荒川良々)<輸入雑貨屋経営>
−ライアーゲームSeason2に出ていた西田の弟という設定
・久慈サトシ(永山絢斗)<高校生>
・五十嵐衛(松村雄基)<ヤクザ>
・百瀬ノリカ(秋本祐希)<雑誌ライター>
・仙道アラタ(田辺誠一)<銀行営業マン>
・武田ユキナ(関めぐみ)<実業家>
・福永ユウジ(鈴木浩介)<ネイリスト>
・神崎直(戸田恵梨香)<女子大生>
・秋山深一(松田翔太)<元天才詐欺師>
上記のファイナリストのほかにLGT事務局員のエリー(吉瀬美智子)と谷村(渡辺いっけい)。
準決勝でファイナルへの出場を辞退した直だったけど、あるプレイヤーの辞退によって再びライアーゲームの舞台へ戻ってくることに。
決勝戦「エデンの園ゲーム」は、金・銀・赤のりんごに、予め手渡されている自分の名前の焼印を烙印し投票箱へ投入するといういたってシンプルなゲーム。ところがそれぞれのりんごには人間の欲を刺激する役割が与えられいて、それがこのゲームの行方を左右することになります。
金と銀のりんごは「禁断の果実」と言われる欲望の証、そして赤いりんご−一番シンプルに見えるこのりんごこそ、人を信じることが出来るものだけが投票できる信頼の証である「真実の赤りんご」。
投票時間は1時間。投票箱の置かれている部屋には一人ずつしか入室が許されず、時間内に投票を済ますことができなかった者にはペナルティとして1億円の負債を負うことになります。
各プレイヤーはアルファベットで表されており、誰がどのアルファベットであるのかは不明。(ゲームが進んでいくなかで、徐々に明らかにはなりますが)
そしてルール説明の中で明かされた信頼の証−赤りんごの役割。
・赤りんごの投票がなく、金色と銀色のりんごに投票があった場合
⇒投票数の多かった方に+1億円
ここまではなんてことない、単なる多数決ゲームようなものに思えるんだけど、ここからが重要。
まず、プレイヤー全員が赤りんごに投票した場合。これは全員が+1億円となります。
ところが一人でも禁断の果実(金or銀)に投票をしてしまうと、赤りんごの投票者には−1億円が課せられ、禁断の果実へ投票した者には+1億円が入ります。
ただし、禁断の果実へ投票したプレイヤーが1人だけだった場合は、そのプレイヤーが+2億円となり、赤りんごの投票者には−1億円が課せられます。
反対にプレイヤー全員が金もしくは銀に投票をした場合、全員−1億円となります。
そして赤りんごへの投票が1人だけだった場合−投票者には−10億円が課せられその場で実名の発表となります。(この時禁断の果実に投票した者は+1億円)
さらにこのゲームは負債が5億円に達した時点で、即刻失楽園行き(退場)となります。
が、もし、負債を清算することが出来た場合には再びゲームへ参加することができるようになります。
いまだかつてこのゲームで赤りんごがそろったことはない−。
この投票が13回繰り返し行われます。
出演:渡辺 謙、三浦友和、鈴木京香、
香川照之、石坂浩二、松雪泰子
わずか数分の出番にこんな大物が!ってびっくりする場面が何度もありました。
3時間22分。全く長さを感じることなく見ることができました。
途中10分間のIntermission(休憩時間)があるんだけど、なくてもいいくらい。
映画は、国民航空123便に搭乗する人たちの明るい表情で満ち溢れる空港のシーンから始まります。
生まれて間もない息子とともに写真に収まる若夫婦。
家で待つ息子の為に買ったお土産を手に、電話口でうれしそうに話す父親。
−「夕食作って待ってる」…妻のやさしい声。
初めての一人旅に出る息子を見送りに来た母親。
−スチュワーデス(松下奈緒)に手を引かれ機内へと向かいながら「またすぐお母さんに会えるよね?」と尋ねる少年。
「ごめんね。母親の具合が悪くなっちゃって。この埋め合わせは必ずするから」
−後輩のスチュワーデスにフライトを代わってもらった美樹(松雪泰子)
520余人の「未来」と「命」を乗せたKL123便は大阪・伊丹へと向かい飛び立ちました。
時は遡り昭和30年代。
恩地元(渡辺謙)は国民航空の労働組合で委員長を務めていました。
過酷な労働条件の下で働く従業員のため同僚で組合副委員長の行天(三浦友和)とともに会社と闘いなんとか職場環境の改善の一歩を踏み出すことに成功。
しかし、その恩地を待っていたのは懲罰人事。
パキスタン・カラチへの転勤を命じられた恩地は、他の組合員への懲罰人事は一切行わないこと、2年で必ず日本へ戻れることを条件にこの差別的な人事を受け入れることに。
一方、組合分裂に加担することを条件に栄転を重ね、エリートコースを歩き出した行天。
家族より一足早くパキスタンへやってきていた恩地を追って妻・りつ子(鈴木京香)と子供たちがやってきて、家族4人での生活が始まります。
慣れない外国−しかも僻地での生活は家族の絆をも危うくするものでした。
2年。2年の辛抱だ…。
ところが恩地を待っていたのはイラン・テヘランへの転勤。
憤りを堪え、会社の人事に従う恩地でしたが、日本に一人でいる恩地の母親(草笛光子)のこともあり、りつ子は子供たちを連れて日本へ帰国することに。
今度こそ、今度こそ日本へ戻れる。
しかしそんな恩地の期待はまたも打ち砕かれることに−路線就航もないケニア・ナイロビへの異動。
ある日、恩地の母親が危篤とのテレックスが入り緊急帰国するも
母親の最後を看取ることは叶いませんでした。
本社へ足を運んだ恩地は、かつての組合の仲間たちが閑職へ追いやられている現実を目の当たりにし、怒りを爆発させます。
「約束が違うじゃないですか!」
社長の桧山(神山繁)に食いかかるも、うやむやな返事ではぐらかそうとする社長(会社)に成す術ない恩地。
そんな恩地に、行天は「日本へ帰って来い。お前が戻ってくる根回しはできている。あとはお前が一筆書けば(詫び状)すぐにでも帰ってこれるんだぞ」と口ぞえをするのですが、それでは会社に屈したことになると思う恩地には首を縦にふることはできませんでした。
父親の「左遷」で子供たちにも少なからず影響が出ている−恩地の心は揺らぎますが決して自分の初志を貫くことを諦めようとはしない。
−恩地が再び日本へ復帰することができたのは、パキスタンへ追いやられてから10年の月日が流れていました。
]]>
3年前に韓国へ行ったとき、公開直前だったこの映画のポスターがたくさん貼られているのを見てきました。
江南にあるCOEXの映画館へ行ってこのチラシをもらってきたんだけど、その当時はまだ韓国語をスムーズに読んで理解することができなかったアタシ(今もかなり怪しいが)。
とりあえずタイトルの「サランハニカ ケンチャナ…」(愛してるから 大丈夫…)だけは辞書なしでも読むことができました。
10年分のキス!
10年分の抱擁!
1年を10年分のように愛してあげよう!
そんなフレーズが書かれていたチラシ。
レンタル屋さんでこの「愛してるから 大丈夫」のタイトルを見つけたとき、すごく懐かしい風が吹きました。
−目にするハングルすべてが新鮮で、がむしゃらに辞書を引いては単語を浴びるように読んでいた頃。
で。
内容はというと…。
韓国ドラマや映画にありがちな「限られた命」を中心に繰り広げられるラブストーリー。
見始めたときは正直借りてきたことをちょっと後悔。
男子トイレで用を足していた高校生ミニョク(チ・ヒョヌ)は、個室トイレから出てきた女子に驚かされます。
女子トイレが混んでたから−と言い訳する女子学生ミヒョン(イム・ジョンウン)。
ミヒョンへの猛烈なアタックが始まるも、ミヒョンはなかなかミニョクの気持ちを受け入れようとはしない…。
自転車を買い、後ろの荷台にミヒョンを載せるために座布団をくくりつける。
ミヒョンのロッカーをたくさんのバラの花で満たして。
雪が積もれば、ミヒョンの家の前の雪かきをして道を作り。
ミヒョンへの想いが募る一方のミニョクの元に届いたメール。
「ごめんね。私、明日発つの。」
「アメリカへ留学する」という理由で母親と二人、渡米してしまったミヒョン。
−ミヒョンがすべての前から姿を消した本当の理由をミニョクが知ったのは2年後。
突然現れたミヒョンに怒りを隠せないミニョクは、突然いなくなったミヒョンに食って掛かります。
その時、ミニョクの耳に届いた言葉−
「私、死ぬのよ」
]]>監督:西谷 弘
出演:織田裕二、天海祐希、戸田恵梨香、
大塚寧々、伊藤淳史、福山雅治、佐藤浩市
映像的にもストーリー的にも、とても見ごたえのある映画でした。
加えて、個人的に大好きなイタリアが舞台ということもこの映画を見たい気持ちに拍車を掛けてくれました。
映画は、織田裕二演じる外交官・黒田と天海祐希演じる矢上紗江子がこわばった表情でホテルに戻ってくるシーンから始まります。
クリスマス間近のローマ。
シングルマザーの紗江子は一人娘のまどか(大森絢音)とともに空港に降り立ちました。
まどかは網膜の病を抱えており、帰国後手術を受けることになっていました。
そのまどかの目に自分と夫が一緒に旅行した唯一の場所−イタリアを焼き付けてあげたいという思いを胸にイタリアへとやってきました。
同じころ、一人の外交官がローマへとやってきます。
イタリアでのテロ予告の情報を入手、外務省の上司である片岡(中井貴一:声のみの出演)からの命令でやってきたのは黒田康作。
その頃、黒田の赴任先である日本大使館では菊原大使(小野寺昭)を筆頭に、参事官・西野(佐野史郎)、外交官である羽場(大塚寧々)、谷本(伊藤淳史)、赴任間もない研修生・安達(戸田恵梨香)らは、数日後に迫ったG8外務大臣会合の準備に追われていました。
その慌しさの中、新米外交官の安達は黒田の出迎えを忘れる始末。
日本からやってくる外務大臣・川越(平田満)を迎え入れる警備体制やイタリア滞在の準備に追われている大使館に邦人誘拐の連絡が入ってくるのですが、G8準備で手一杯の外交官たち。西野参事官はその誘拐の事件の担当に安達を指名。黒田とともに対応するよう命じます。
誘拐事件が起きた美術館に赴いた安達と黒田。−そこにいたのは娘がいなくなって取り乱している母親・紗江子。紗江子の話によれば−まどかはトイレに行くと言って母親の側を離れた…。
美術館の防犯ビデオを見てみると、確かに女子トイレに入っていくまどかの姿が映ってはいたのですが、出てくる姿が何度見てもカメラには映っていなかった…。
やがて紗江子の携帯に犯人から電話が掛かってくるも、イタリア語ができないために黒田が電話に出てしまいます。
犯人から身元を聞かれた黒田はつい「父親だ」と言ってしまい、以後この誘拐事件の交渉に関わってしまうこととなります。
イタリアでは、誘拐というとマフィアが絡んでいることがほんとんどであることから、犯人と直接交渉をすることが禁じられている上、身代金を犯人に渡すということはマフィアに資金を提供することとなり、法律違反になるという。−淡々とそう話す黒田の態度に苛立ちを爆発させた紗江子。
紗江子の「夫」となった黒田は犯人からの指示通りに従うことに。
テルミニ駅、サンタンジェロ城、スペイン広場−どこも観光客であふれかえっている場所を指定してくる犯人。意図が読めないまま犯人の指示通りに行動を繰り返すのですが、ついには警察のミスにより警察が事件に入ってきていることがバレてしまいます。
娘の行方も分からず、そして何より警察が犯したミスに怒りを隠せない紗江子は黒田を責め立てます。
そんな憔悴しきった状態の紗江子から連絡を受け、紗江子の元を尋ねてきたのはロンドンにいる商社マン・藤井(佐藤浩市)でした。藤井によると、数年前に体調を崩し日本の病院に入院した際の看護婦が紗江子だったという。−藤井は密かに紗江子に想いを寄せていました。
今回のイタリア旅行は紗江子に頼まれ藤井がすべて手配したものでした。
外交官に捜査権限がないことを知りつつも、事件に深入りをし始めた黒田。
無駄遣いは外交官の特権−黒田はそう言って紗江子に身代金の入ったバックを渡します。
なかなか姿を現さない犯人。
そして紗江子の携帯に掛かってきた電話がナポリから少し南へ下った港町・アマルフィからのものであったことから、事件の舞台がアマルフィへと移されます。
<※このあたりからネタばれとなります>