監督:西川美和
出演:オダギリジョー、香川照之、伊武雅刀、真木よう子、蟹江敬三、木村祐一
東京でカメラマンとしての成功を収めた猛(たける)(オダギリジョー)は
母親の一周忌で実家へと戻りました。
実家では、父親(伊武雅刀)とガソリンスタンドを切り盛りする兄・稔(香川照之)が暮していました。
そして幼なじみの智恵子(真木よう子)もそのスタンドでアルバイトをしていました。
東京から実家へ戻る途中、そのスタンドへ立ち寄った猛は智恵子に気づいたものの、
声をかけることもせず、スタンドを後にしました。
一方、猛に気づいた智恵子も声をかけるタイミングを失い、ただ猛の車を見送るだけしかできずにいました。
母親の法要がひと段落ついた時、ガソリンスタンドでトラブルが起きたという連絡を受けた稔は、スタンドまで猛に車で送ってもらうことに。
そこで智恵子と再会した猛は、兄とにこやかに話している智恵子を複雑な思いで見ていました。
トラブルが片付き、猛は仕事を終えた智恵子を一人暮らしをしているアパートまで車に乗せます。
「猛くん、垢抜けたね。始めは誰かわかんなかったよ。
「俺ってそんなにダサかった?」
他愛もない会話。
「お前、兄貴と息が合ってんな。妬けたよ」
「兄貴、お前の部屋に上がったことあんの?」
智恵子の部屋上がった猛は、智恵子と愛し合います。
夕食を作ろうとした智恵子を置いて部屋を出た猛は兄の待つ実家へと戻ります。
実家へ戻ると洗濯物をたたんでいる稔の背中が見えました。
「いやぁ〜なかなかいい店が見つかんなくて」
「風呂、入るか?」
「−あぁ」
「ちえちゃん、しつこいだろ?」−ぎょっとする猛。
「え?」
「ちえちゃん、酒飲むとしつこいから」
「−あぁ、参ったよ」なんとか話を合わせた猛。
翌日、稔と猛が幼い頃によく行った渓谷へ智恵子と連れ立って遊びに行きます。
−子供のようにはしゃぐ稔。
−夕べ、何もなかったかのようにふるまう愛想のない猛。
−猛の姿ばかりを追ってしまう智恵子−あの時猛くんと一緒に東京へ行ってたら。
−東京なんてつかれるばっかだよ。
つり橋を渡り山奥へと歩いていった猛を追ってつり橋へ向かった智恵子。
つり橋から猛の姿を見付けた智恵子は大きな声で猛の名前を叫びます。
−その時、突然智恵子の腕を掴んだ稔。
「ちえちゃん危ないよ。」
「触らないで!いい加減にしてよ!」
智恵子の口を突いて出てきた言葉に驚きを隠せない稔。
そして、つり橋には稔だけが残されました。
川の中から智恵子の遺体が見つかり、事故死として処理され、そのまま時間がながれていくのかと思われました。
ところが、別件で警察へ連行された稔は智恵子をつり橋から突き落としたことを告白したのです。
殺人事件の犯人として逮捕された稔の裁判が始まりました。
稔と猛の叔父で弁護士の修(蟹江敬三)が弁護に当たることとなり、猛も裁判の傍聴席に座り兄の裁判の行方を見守っていました。
「必ずここから出してやるからな」−猛は兄へそう声をかけました。
「おやじ、今度ちえちゃんに手合わせ行こう。−ちえちゃんの好きだった酒でも持って」
このとき父親の口から出てきた言葉に、唖然とする猛。
−やがて猛はある決心を持って目撃者として証言台へ向かいます。
もう兄弟じゃない−。
母親の死後、家事全般をこなしガソリンスタンドの店長として働いていた兄。
小さな町に埋もれることを嫌い家を出た弟。
想像以上に見応えある映画でした。
監督が女性ということもあり、公開前からとても関心を持ってました。
−十分満足。
一見、残酷な映画なんだけど、それだけで終わってないところがいい。
ちゃんと救ってくれる。
香川照之さんってすごい役者さん。
ドラマなどではよく見ていたんだけど、映画では初めて。
オダギリジョーくんもスクリーンで見たのは初めてでした。
イマイチ好きになれなかったオダギリくんだけど、この映画で大ファンになってしまいました。
ちなみに彼は今韓国で日本人俳優の1番人気なんだそうです。
ぜひ、映画館に足を運んでみてください。
オススメ映画です。